夏休み、ジリジリと太陽が照り付ける中、長岡市立東中学校に出前授業でお邪魔しました。
今年は新型ウイルスの影響で街なかで職業体験を行うのが難しく、いろいろな職業の人生の先輩が東中学校を訪れて、キャリア教育のお手伝いをすることになりました。
その講師のひとりがBSN麦島侑アナウンサー。中学生を前に授業を行うのは初体験です。
通された音楽室には、東中2年生の14人が整然と並んでいます。
まずは自己紹介。
小学生のころ、学芸会でオリジナルコントのシナリオを書き、大ウケしたことがきっかけで放送作家をめざそうと思ったことや、アナウンサーを目指し面接試験で全国を回っていた時、周りはすごい人ばかりで委縮したこと。面接では「具体的な話をしよう」と意識し「未来の自分がなりたい姿」を具体的に話して臨んだことなどを話すと、生徒の皆さんは真剣に聞き入ってくれました。
今年入社9年目、31歳の麦島アナウンサーが大切にしているのは「声」「パワーのある声で伝えること」だそうです。それは、小林幸子さんをラジオ番組のゲストに迎えたとき、小林幸子さんほどの方が毎日発声練習をしていることに「衝撃」を受け、以来、麦島アナウンサーも毎日発声練習をするようになったことを伝えます。
「話の内容」は人間の内面から出てくるもの、取り繕うことはできない。でも、「声」は毎日トレーニングすることで着実に変わる。パワーのある声で伝えようと心に決めたというのです。
そこで、生徒さんと一緒に「長音」のトレーニングを行いました。なるべく長く「あー」と続けます。麦島アナウンサーが駆け出しのころは「7秒」しか続けられなかったのが、今回は29秒(ちょっと不本意らしいですが)でした。麦島アナウンサーに続いて、生徒さんひとりひとりがみんなの前に出て「長音チャレンジ」を行います。
大勢の前で一人で声を出すのは緊張しますが、生徒さんの長音チャンピオンは25秒!でした。
「声は毎日鍛えると変わってくる!滑舌と声量を見につけると、パワーを産む声になる。毎日続ければ、二十歳になることろにはパワーのある声の持ち主になれると思います」と語ります。
また、「運動会」という言葉の中の「ん」「伸ばす音」「い」を意識すると、粒の立つ発音になる。そして母音も意識するとクリアな音に。早口言葉をただ言えるようになるのではなく、はっきり聞こえるように発音することが大事だと力説します。
そして、「口角を上げて」話すこと。声が明るくなります。例えば「あなたと仲良くなりたい」という気持ちも口角を上げて笑顔で話すと伝わると話しました。
最後は一人一人が「ラジオDJ」にチャレンジ。
番組の「タイトルコール」をして、ゲストの麦島アナウンサーを紹介し、オリジナルのインタビューを行うという内容です。こちらもひとりひとりに体験してもらいました。インタビューについて、例えば…
Qアナウンサーで大変なことは? A準備が大変。準備が全て。
Q実況をするときのコツは? A試合に集中できるよう、データは頭に入れている。
Qやりがいをかんじることは? A実況。一年に数回しかチャンスがないけれど、みんなの部活の大会と一緒で、ずっと練習して一瞬にかけている。
Q仕事をするうえで大事なことは? A人生は筋トレ。一日一日の積み重ね。
Qアナウンサーをしていてよかったことは? A毎回旬のものを食べ、旬の人に会える。旬のもののおいしさといったら!嫌いだったしいたけ、さといも、スイカが、仕事を通しておいしいと思うようになりました。
QBSNのアナウンサーはBSNしか見ない? A他局の番組も全部チェックしています。
Q中継で食べたものが、おいしくないと思ったときはどうする? Aおいしい!とは嘘をつかないけれど、その分、たくさん描写する。でも、そんなことは、アナウンサーになって2回くらいしかなかった。
Q心がけていることは? A伝える対象に興味をもつこと。
Q台本はどうやって覚えますか? A一字一句まる覚えするのではなく、全体の内容をとらえて覚えています。
長岡市東中学校の音楽室で行われた出前授業。音楽室にはこんな文字が「声は力なり」
まさに麦島アナウンサーの伝えたいことが凝縮された言葉が飾られていました。
声のパワーを考えるきっかけにしてくれたらと思います。
いろいろな発表に真剣に取り組んでくださった東中の生徒の皆さん、お疲れ様でした。
まもなく体育祭。立派な応援看板が完成していました!
大成功をお祈りしています!