コンテナ船による世界の物流革命を、運送業界の風雲児マルコム・マクリーンの伝記と港の役割の歴史的変化を中心にして記述した本です。
輸送コストというのは、必ずしも船の燃料と走行距離に比例するのではなく、むしろ荷役という船荷の積み替え作業に大幅に発生することを、この本で初めて知りました。「先見の明」という一言では片付けられない人々の努力と、そこから生まれた時代のうねりを感じずにはいられません。
また、規格化と管理、能率について、考えさせられました。昨今は、情報革命ばかりが取り上げられていますが、物流革命も私達の生活を大きく変えたことを改めて認識することができます。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)