カリブ海の島国　ジャマイカの昔話が14話入った新しい本が出ました！　主人公はクモのアナンシ。学校や図書館のお話会でも、人気のキャラクターです。

アナンシは時々人間、時々クモに姿をかえる“悪いやつ”。友だちの動物をだまして、ごちそうを独りじめにしたり、お金をもうけたり。強いはずのトラやワニでさえ、アナンシの悪知恵にまんまと引っかかってしまいます。ところが欲ばりすぎて失敗し、自分が痛いめに合って、「バカだねぇ。」とあきれられることも。

ワルでも憎めない人間味？　や動物たちとのおかしなやりとりが魅力です。ジャマイカ出身の英語の先生は、アナンシは“トリックスター”（文化英雄）と、懐かしそうに親しみをこめて話していました。

黄色と緑の表紙は国旗の色、マーシャ・ブラウンの挿絵もユーモラスで、明るい本です。子どもたちに読んであげてくださいね。

田村 梓（新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、29年目になりました。公共図書館などでも、子どもと本をつなぐ活動をしています。）