大人の本棚・こどもの本棚

くんちゃんのだいりょこう

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冬ごもりの季節、子ぐまのくんちゃんは、南の国へ渡っていく鳥を見て、自分も行ってみたいと言い出します。お父さんにお許しをもらいはりきって出かけますが、丘の上まで来ると、お母さんに “さようならのキス”をしてこなかったことを思い出します。丘をかけおりてキスをし、また丘を登りますが、双眼鏡がいるなと思い、取りに帰ります。もう一度お母さんにキスをして、丘を登りますが、今度は…。

冬になると1年生に読んでいる絵本です。子どもたちは、「また!? いつ行くの? 何回キスするんだ!?」と声をあげますが、どの顔もニコニコしてとてもうれしそう。1年生もくんちゃんのように、冒険はしたいけれど、まだまだ甘えたい年頃なんだなと思います。

幼い子の冒険心を「やらせてみなさい。」と認めるお父さん、ゆったりと見守るお母さんも素敵です。

「くんちゃん」の本は他にも6冊あり、続けて借りていく子が多い人気シリーズです

 

田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、29年目になりました。公共図書館などでも、子どもと本をつなぐ活動をしています。)

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