猛吹雪の日、風邪で寝こんだお母さんのかわりに、アイリーンはドレスを届けに遠いお屋敷へ出かけました。重い箱を抱えて必死で進みますが、風がおそいかかりドレスは吹き飛ばされます。日が暮れて道に迷い、足を痛めたアイリーンは、とうとう崖から落ちて雪に埋まってしまいました。
「このまましんでしまったら、もうおかあさんにあえないんだ。そんなの やだ!」勇気を奮いたたせて雪からはいだし、やっとお屋敷にたどり着くと!
後半は一転して、温かく幸せな雰囲気に包まれます。お母さん思いのアイリーンと、娘の素晴らしさをよくわかっているお母さんの笑顔が心に残る絵本です。
風と雪が吹き荒れる冬を体感している新潟の子どもは、雪に負けずにがんばるアイリーンにとても共感するようです。
田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、29年目になりました。公共図書館などでも、子どもと本をつなぐ活動をしています。)