ラチは、世界中で一番弱虫の男の子。犬を見て逃げ出したり、暗い部屋には怖くて入れない、そんなひとりぼっちのラチのところに、ある日小さな赤いライオンが現れます。
毎日ポケットにライオンがいてくれるだけで、なんでも出来るようになったラチ。でもある時、いじめっこからボールを取り返し、友達を助けたラチがポケットに手をつっこむと…。
気持ちの持ち方、強く想うことの大切さを、三色だけのシンプルな絵でさりげなく伝えてくれる素敵な絵本です。強いはずの赤いライオンが、かわいくてお茶目に描かれているところも魅力的です。
田野辺淳子(絵本の家「ゆきぼうし」スタッフ。2001年「ゆきぼうし」のある守門村(現魚沼市)に家族で移住。仕事をしながら「ゆきぼうし」スタッフの活動を続ける。)