なほちゃんは小さな女の子です。
大きい子どもたちは、なほちゃんをキャンプに連れていくのは無理ではないかと言います。なぜなら小さい子は重い荷物を持って歩くことはできないし、すぐ泣いたり怖がったりするし、炊飯のための薪集めもできないからです。
しかしなほちゃんは強い意志を持って、キャンプに行きたいと言います。そこでともこおばさんは、なほちゃんも連れて行くことに決め、キャンプの準備をさせるのです。
幼い子どもにとって、生きることははじめて行うことの連続なのだと思います。子どもの意志が尊重され、ひとつひとつの課題を乗り越えていくところに、子どもの成長があるのだと感じます。
この本を、自分の子どもがはじめてキャンプに行く数日前に読み聞かせたところ、夢中になって聞いてくれたのを思い出しました。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)