ドイツの児童文学作家・ケストナーの作品に注目が集まっています。彼は、ドイツがナチス支配下にあり、自由を奪われ、執筆活動もままならない戦火に生きた作家です。戦時に体験したことを反映させた作品などを残しました。
本書は、人間が第2次大戦後に行った平和の会議が決まらない連続に業を煮やし、動物たちが立ち上がる話です。
人間たちが集まると、ろくなことにならない。まさにケストナーのユーモアのある社会風刺からできた作品です。動物たちが子供たちの未来を救う。まさに、現在のウクライナ戦争という現実からも、子供たちの心を救済する物語であると思います。
中山 英(萬松堂本店店長兼出版社島屋六平出版営業課長。1児(4歳娘)の父。育児と読書の日々を過ごしています。)