『オズの魔法使い』といえば、だれもが知る名作古典の1つです。読み物、絵本問わず、数多く出版されてきましたが、私が子どもの頃家で何度も読んだのは、岸田衿子さんと堀内誠一さんの絵本でした。それが昨年、堀内さんの生誕90年記念として愛蔵版が発売されました。
テンポが良く心地良い語感の文と、色鮮やかで物語の世界に引き込まれる絵は、大人になってから改めて読んでも当時のように夢中にさせてくれます。エメラルドの都の美しさは子ども心に行ってみたいと憧れていましたし、簡単にはいかないドロシーたちの冒険にどきどきしたのも覚えています。この機会にまた多くの方にこの絵本と出会ってほしいと願いながら、大切に売場に並べています。
吉岡 彩佳(萬松堂本店児童書担当。子どものころから本が好きで念願かなって書店勤務に。甥っ子に絵本をプレゼントするのが楽しみです。)