この絵本は私が六年生に向けて、最後の読み聞かせに読む絵本のひとつです。これから成長していく子どもたちへ餞(はなむけ)になればと思っていつも読んでいます。
「やあ!さっきは危なかったね!」と突然 少し弱気な主人公のボクに声をかけるパンツくん。
このパンツは主人公の履いている白いブリーフなんです。唐突な出会いとは裏腹に、彼らは毎日おしゃべりをし、どんどん仲良くなっていきます。その様子はまるで何でも話せる親友のようです。
しかし、そんなパンツくんとの別れも突然衝撃的にやってきます。この別れによって、ボクが少し大人になっていくという男子成長絵本です。
ハイテンションでいて、とても賢いパンツくんが愉快です。絵本ではありますが、漫画のようなコマ割りでコミカルに物語が進みますが、最後の部分はしっかりとしたメッセージが詰まっていて私は何度読んでもグッときてしまいます。
作者の乙一さんはたくさんの小説も書いています。この絵本から何か感じ取った方は、ぜひ小説も読んでみてほしいです。
推薦者:朝日 仁美(絵本でSDGs推進協会 代表理事 JPIC読書アドバイザー/絵本専門士 長年地域で乳幼児親子を対象におはなし会を主宰。現在は学校司書をしながら、絵本でSDGsを普及する会を立ち上げ活動中。)
絵本でSDGs推進協会 https://ehonsdgs.amebaownd.com/