子どもたちに大人気の“まゆ”のシリーズから、今の季節にぴったりの1冊を紹介します。
やまんばの娘まゆは、林の中で河童の子“ミドリマル”と出会い、おすもうを教えてもらいます。その後、沼に住む大河童の“デッカマル”と勝負することになり…。
この絵本の魅力は、鬼をも投げ飛ばす力持ち“まゆ”のキャラクターと、シンプルながらどんどん盛り上がるストーリー、ユーモラスで美しく見所たっぷりの絵だと思います。
沼に浮かぶ河童たちのお皿は、色とりどり。「玉ねぎみたい!ラーメンのナルトもある!」と期待はふくらみ、ページをめくると個性的な河童がうじゃうじゃ登場。真打は、見上げるほど大きなデッカ
マルです! 二人の取り組みは迫力満点で、子どもたちは大喜び。
『まゆとおに』から始まったシリーズは、5冊になりました。友達思いのやさしいまゆには、巻を追うごとに龍、猪など仲間が増えていきます。最新刊は『まゆと大きなケーキ』。みんなのために超特
大のケーキを作ります。
田村 梓(新潟市の小学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、30年になりました。)