こちらは同タイトルの2作目で、イギリスの南部の都市ブライトンで暮らす、親子3人の日常を綴っています。息子の学校生活や近所付き合いから、人種差別や階級格差の問題が日常的にあることや、実践的な授業(国政選挙の模擬投票をして政治を考えたり、地域の施設を利用してコンサートを運営する方法を学んだり)を受けることなど、イギリスの社会教育事情を親子の会話から知ることができます。
洞察力の鋭い息子の発言には、母(著者)も感心したり返答に困ったりすることも。中学生になった息子は、以前より話してくれることが少なくなり、親としては寂しいと思う反面、それも成長の一部なのだと見守る著者の姿には、国や境遇は違っても共感を覚えます。
子どもの成長を通して見えてくる社会の問題に対して、様々な気づきを教えてくれる一冊です。
亀田図書館 司書