まちで人気のマフィンおばさんのパン屋。ある晩、おばさんと一緒に住むアノダッテという男の子が、おばさんを手伝おうと内緒でパン作りに挑戦します。
アノダッテが「まちの ひと みんなが、いっぱいたべられるように」と、かまどがぎゅうぎゅうになるほど押し込んだパンの生地は、火をいれると、どんどん、どんどんふくれあがり…その勢いは生き物のように感じるほどで、階段を登っても止まる気配がありません。
大きくなりすぎたパンに追いやられたマフィンおばさんが放った一言に、アノダッテと一緒に不安になっている読者の気持ちもうれしくなります。
ジャムやチョコレートを惜しみなく入れてパンを作るアノダッテの様子にわくわくし、焼きあがったパンのいい匂いや、ほかほかの熱気まで感じられるような絵本です。
推薦者:稲垣 彩(新潟県立図書館主任司書。児童書担当。1児の母。)
新潟県立図書館のホームページにBSNキッズプロジェクトの「大人の本棚・こどもの本棚」で紹介された本のリストが紹介されています。こちらもどうぞご利用ください。