主人公「ぼく」であるようたは、自己紹介をする要領で、自分の兄弟のことと兄弟の中で自分だけのことを話します。すると今度は、その紹介に出てきた兄弟の一人である兄が出てきて、兄の視点でようたのことを話します。
次に、ようたは、やはり自己紹介をする要領で、自分の家族のことと家族の中で自分だけのことを話します。そうすると今度は、その紹介に出てきた家族の一員である母親が出てきて、母親の視点でようたのことを話します。
この繰り返しで、ようたの自己紹介は、自分の兄弟、家族、友だち、クラスメイト、学校、町・・・とどんどん広がって行き、また、その紹介に出てきたいろいろな人物がようたについて語ってくれます。
こうして、一人一人が本当にかけがえのない人間なのだということを、押しつけがましくなく素直に伝えてくれる絵本です。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)