主人公のショーコには、塾で仲良くしているカナちゃんという友達がいます。二人は、お金持ちのおばあさんが飼っている、迷子になってしまったポーラというネコを探すことにします。とりわけ、経済的な理由で塾をやめなければならないかもしれないカナちゃんは、お金持ちのおばあさんからの御礼を期待して、熱心に探します。
教育・福祉など現代の日本のかかえる現実的な問題を背景に、不安定な思春期初期の少女の友人関係と、少年少女に関わる大人の姿が描かれています。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)