子どもにとって乳幼児期はどういうものか。児童精神科医で保育園や幼稚園、学校等でも臨床経験のある著者は、乳幼児期は建物の基礎部分で、今後の人間性に大きく関わってくる部分だと説いています。小さい子どもはよく家族にだっこやおんぶを求めますが、そういった要求に応えることで愛情を感じ、人を信頼し、将来豊かな人間関係を築くことができるという著者の言葉は、特に初めての育児で戸惑っているご家族の指針の一つになります。
親の希望通りのことを子どもがしてくれることに喜びを感じるのではなく、子どもの希望に応えることに喜びを感じてほしい、子どもとの今の時間を大切にしてほしいという著者の言葉は、心に響きます。セミナーの内容をまとめた優しい語り口調の本なので、見た目に反して読みやすい本です。現在小さいお子さんがいる家庭の方におすすめの一冊です。
推薦者:波田野 優子(新潟市立亀田図書館)