夏の雲として知られる「入道雲(にゅうどうぐも)」。積乱雲の一種で雷や夕立を察知できるとも言われる雲です。
まさるくんとお兄ちゃんのまことくんの夏の一日を追いながら、雲の変化を観察していく科学絵本です。ラジオ体操をしている時はどんよりしていた空が太陽が高い位置にくるにつれて、晴れ上がり強い陽射しが照りつけてきます。虫取りに夢中になる二人と山の上に並ぶ綿雲、その綿雲が午後になるとどんどん大きくなる様子が縦にめくる手法の絵本なのでダイナミックに描かれています。
夏になると読みたくなるこちらの絵本は1996年に月刊科学絵本「かがくのとも」という雑誌で発行された作品です。現代の異常な暑さと災害級のゲリラ豪雨などを考えると環境の変化を感じざるを得ません。しかし、雲の動きやでき方を知ると自然災害と上手に付き合うヒントがあることをこの絵本から学べます。
雲だけでなく天気に関する内容の絵本は他にもあるので、探して読んでみると楽しく学ことができると思います。そして熱中症アラートの発表を気にしながら、ぜひ自分の目でも夏の空を眺めて欲しいです。
推薦者:朝日仁美(絵本でSDGs推進協会 代表理事 JPIC読書アドバイザー/絵本専門士 長年地域で乳幼児親子を対象におはなし会を主宰。現在は学校司書をしながら、絵本でSDGsを普及する会を立ち上げ活動中。)