
この本で「訂正する力」とは、誰かに何かの誤りを指摘されて、それを認め謝罪する力という意味ではありません。「過去との一貫性を主張しながら、実際には過去の解釈を変え、現状に合わせて変化する力」のことであり、「「リセットする」ことと「ぶれない」ことのあいだでバランスを取る力でもある」と述べられています。
著者は、この問題に哲学の3方面―時事・理論・実存―からアプローチしています。このため、非常に身近な時事問題から、ヨーロッパの哲学者の言論、さらには東氏自身の会社の経営まで、様々なレベルで考えられています。これらが第1章・第2章・第3章に対応し、続く第4章では、日本社会において必要な「訂正する力」が、日本の哲学史を踏まえた日本思想・日本文化の在り方という形で論じられています。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)
