
寒天の原料になる天草の生態や、寒天・ところてんの製造方法を説明している科学絵本です。文体や絵は明らかに小学生向きになっているのですが、扱っている知識としてはかなり高度で、中学校あるいは高等学校の理科(生物)の内容にまで踏み込んでいます。特に、海藻の分類や遺伝の仕組みなどを図解した詳細な附録7ページ分は圧巻です。あまりにもぎっしりと詰まっていて、紙面が足りなくなってしまったのか、見返しや奥付のページまで占拠してしまっています。さらに私が購入した絵本には、「初版特典」として附録の8番目として別紙リーフレットが挟まれていて、著者らの取材旅行の記録が地図上にプロットされていました。天草の面白さ・素晴らしさを子どもに分かってほしいと思う著者らの情熱にあふれている絵本だと感じました。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)
