大人の本棚・こどもの本棚

暮らしをまもり工事を行ったお坊さんたち(土木の歴史絵本第1巻)

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日本の科学絵本の代表的な作家である加古里子が作成した土木の歴史絵本シリーズの1冊です。土木の歴史絵本シリーズは、(財)全国建設研修センターの企画・発行による「土木の絵本」全5巻が、小学校に無料配布されたものを、反響により版をあらためて出版されるようになったものだそうです。

第1巻にあたるこの絵本では、飛鳥時代から江戸時代にかけて12人の僧侶が先頭に立って橋、ダム、池、港、トンネル、道などを作ったことを描いています。合わせて、それらの工事を行うことができた僧侶たちの考え方や仏教の歴史と人々の民俗・風習の変化にも触れており、政治ではない民衆の歴史という側面もあると言えるでしょう。私達の暮らしがどのように形作られてきたのかを知るために、ぜひ子どもたちに読んでもらいたい1冊です。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)

 

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