上越市に生まれ、児童文学者として多くの童話を手掛ける杉みき子さんの自選短編童話集。1954年に活字となった最初の童話「三本のマッチ」他、2000年までに書かれた童話が34作収められています。現代とは少し違う雪国の暮らしや時間の流れ、子どもたちの日常の中で起こるささやかな楽しいこと、不思議なことなどが童話となって優しく語られています。中でも冬のお話は、子どもの頃感じた、新潟の冬の空気の匂いや、まっさらな雪の上を踏みしめる音が蘇ってくるようですし、外の寒さとは対称的な家や家族の温もりを感じ、穏やかな気持ちになります。
小学生から読めますが、寝る前のお子さんへの読み聞かせにもぴったりだと思います。
推薦者:田野辺淳子(絵本の家「ゆきぼうし」副代表。「ゆきぼうし」のある守門村(現魚沼市)で子育てをするため、2001年に新潟市西区から家族で移住。以来、「ゆきぼうし」スタッフの活動を続ける。現在は、高校で書道講師として勤務。)