ゴリラが大好きなハナは、まだ一度も生きているゴリラを見たことがありません。動物園に行きたいのですが、お父さんは仕事が忙しくて、連れて行ってくれません。誕生日の前夜、ハナが眠った後、お父さんはプレゼントとしてゴリラのぬいぐるみを入れた箱をそっと部屋に置いて行ってくれました。夜中にそれに気付いたハナは、プレゼントがぬいぐるみのゴリラであることにがっかりし、そのまま眠ってしまいました。ところが不思議なことに、そのぬいぐるみのゴリラは大きくなって動き出し、ハナを起こし、ハナを動物園に連れて行ってくれるのです。目が覚めた誕生日の朝、お父さんは、ハナを本当に動物園に連れて行ってくれたのでした。
アンソニー・ブラウンの絵本は日本ではあまり知られていませんが、海外では高く評価されています。この本は分かりやすいストーリーで、日本の親子にも受け入れられるのではないかと期待しています。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)