野原に生息する虫や動物や植物や自然のことを、一人称視点で述べた詩集です。あたかも虫や動物や植物や自然が自分のことを歌ったかのように、それぞれの詩に「かぶとてつお」「こぶたはなこ」「けやきだいさく」「ゆうひおさむ」など虫や動物や植物や自然を推測させる作者名が付され、詩はその作者の性格を表すような言葉遣いで書かれています。表記は平仮名と片仮名だけで分かち書きが用いられています。内容も易しく楽しく分かりやすいので、この詩集を通して小学校低学年から詩に親しむことができるでしょう。「のはらうた」は大人気シリーズで、この第1巻の他にも同じ形の詩集が第5巻まで、さらには別巻や版画版などが出版されています。
足立幸子(新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)