「たんぽぽ」は、冬の間に根をのばし、春になると花を咲かせ、春が終わるころ綿毛をとばして新しい命を運びます。この本はたんぽぽの一生を、美しく写実的な絵と丁寧な文章で描いた「かがくの絵本」です。
表紙に描かれている、空の青、花の黄色、綿毛の白の色使いが印象的で、思わず手に取ってみたくなります。なかを開くと、子どもの視点に沿ってページが進み、普段はあまり目にしない、たんぽぽの根や花びら一つ一つのスケッチに興味がかきたてられます。
散歩の途中や学校の帰り道に見つけた「たんぽぽ」を、立ち止まってゆっくり観察したくなるような絵本です。
推薦者:有本 教子(新潟県立図書館司書。こども図書室担当。2女1男の母。)