新緑の美しい季節になりました。畑に生える草花の生命力には驚きます。昨日までそんなに気になっていなかった草葉たちが、数日の太陽の光と雨の恵みによって、わずかな間に大きく生い茂っていることにふと気づきます。そんな畑に植えれた作物も最初は種。その種にスポットを当てた面白い絵本があります。
畑に植えられた緑色のタネくんの中に、女の子がひとつ緑のアメダマくんをいっしょにいれました。タネくんたちは、最初は水分を必要としないアメダマくんを不気味に思っていましたが、やがて彼の養分をなめて、他よりも大きく育ち、作物を実らせました。土の中でのタネたちの奮闘が育ち方の違いを生むという子どもたちの想像力を膨らませてくれるユニークな絵本だと思います。
推薦者:中山英(萬松堂本店店長兼出版社島屋六平出版営業課長。1児の父。毎晩、絵本を読み聞かせるのが日課。)