今年で赤羽末吉生誕１１０年を記念して、彼が以前に記した絵本論、自作の解説、そして受賞式スピーチなどをまとめた１冊が、この度、平凡社ライブラリーより復刊になりました。

彼の創作原点ともいえる舞台画家としての仕事。５０歳で書いたデビュー作「かさじぞう」の秘話。取材に時間をかけ、そこに暮らす人の語りの声や色彩を大切にする姿勢など、彼の人柄や作品への強い思いが伝わってきます。

亡くなったのち、彼の作品は、個人（長野県安曇野ちひろ美術館）美術館が所蔵するというきわめて珍しいケースとなっています。その分、こうして彼の作品とまた出会える喜びがあり、多くの読者が今後も赤羽作品に惹きつけられていくことでしょう。

推薦者：中山英（萬松堂本店店長兼出版社島屋六平出版営業課長。1児の父。毎晩、絵本を読み聞かせるのが日課。）