こちらの2冊は、アメリカの絵本作家ガアグが英訳し、挿絵をつけたもの。「ヘンゼルとグレーテル」「シンデレラ」「雪白とバラ紅」「漁師とおかみさん」など、16話が載っています。
ガアグは幼いころ昔話をたっぷり聞き、魔法の世界にひたって育ったそうです。その面白さ、楽しさを伝えようと力を尽くして訳したお話は、会話が活かされ生き生きと語りかけてくるようで、より親しみやすく感じられます。添えられた白黒の挿絵も魅力で、子どもやお姫さまは愛らしく、意地悪な人物はユーモアたっぷりに描かれています。「シンデレラ」の姉たちの絵は必見ですよ!松岡享子さんによる日本語訳も、お話を引き立てます。
続編『ワンダ・ガアグ グリムのゆかいなおはなし』には、「ハンス羽まみれ」など3話が入っています。
田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に、本や昔話を楽しんで、27年目になりました。公共図書館や幼稚園でも、子どもと本をつなぐ活動しています。)