1914年、シャクルトン隊長率いる28名の英国探検隊は、徒歩による南極横断を計画し、エンデュアランス(不屈の精神)号で出航した。しかし、南極到着前に流氷に閉じこめられ、そのまま10ヶ月漂流。やがて氷の圧力で船が崩壊し、隊員たちは氷盤上に食料や物資を運び出してキャンプを張る。だがその氷盤も崩れ始め、28名は近くの島を目指し3隻のボートで荒海に乗り出す。そして2年後、衝撃的な結末が!
隊員たちは十分な装備もない中、零下60度にもなる気温と激しいブリザードをしのぎ、アザラシやペンギンを狩って食料にする。生きる希望を維持するため、シャクルトンは粘り強くユーモアをもって苦難を乗り越えていく。絶望的状況でも、決して屈しない人間の底力に圧倒されるノンフィクション。隊員が撮った写真が、当時の様子をリアルに語っている。
(5,6年生~中学生向け)
推薦者:田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に、本や昔話を楽しんで、27年目になりました。公共図書館や幼稚園でも、子どもと本をつなぐ活動しています。)