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子どもに語る グリムの昔話 全6巻

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グリムの昔話は、200年程前にドイツのグリム兄弟が、語り伝えられたお話を書き記したもので、『子どもと家庭の昔話集』として出版されました。200の昔話は世界の言語に翻訳され、「おおかみと七ひきのこやぎ」「ブレーメンの音楽隊」など多くの話が、今も子どもに親しまれています。本がたくさんあり、どれを選んだらよいか迷うこともあるのではないでしょうか。

ご紹介するシリーズには、64話を収めています。長年子どもに昔話を語ってきた佐々梨代子さんが翻訳に携わり、声に出して読みやすいため、私も折に触れて小学生に語っています。1・2年生には「赤ずきん」「おいしいおかゆ」「こびととくつや」、3・4年生には「七わのからす」「三枚の鳥の羽」、5・6年生には「ホレおばさん」「ラプンツェル」など。読んでやると不思議な世界にひきこまれるのか、シリーズを次々に読む子どももいます。

 昔話には、語り継いできた人々の知恵や願いがこめられていて、「希望を語る文学」ともいわれています。どうぞ子どもたちに、先人からの贈りものを届けてあげてください。

田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に、本や昔話を楽しんで、27年目になりました。公共図書館や幼稚園でも、子どもと本をつなぐ活動しています。)

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