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愛着障害  子ども時代を引きずる人々

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子どもと親との関係において、愛着形成をする大事な時期に、身近な親や養育者から愛情やきずなを獲得できずに発達してしまうと、やがて、自尊心や自立心が低くなったり、他者とのコミュニケーションが取りにくくなったりし、社会生活や心身の健康への影響もあるとされています。これを愛着障害と呼びます。この愛着障害は、昨今、いろんな要因から起きるといわれています。

愛着を安定化するアプローチを続けている、著者の精神科医の岡田尊司先生は、この問題を抱える人に対して、薬も認知行動療法でも治せなかったさまざまな問題(慢性うつ、不安、依存症、摂食障害、自傷、発達障害、不登校、ひきこもりなど)を克服する道を示しています。

いまや、愛着障害は社会や生活の変容が影響しており、見過ごすわけにはいかない問題となっています。本書で愛着障害について知るきっかけとなってほしいと思います。

中山 英(萬松堂本店店長兼出版社島屋六平出版営業課長。1児(4歳娘)の父。育児と読書の日々を過ごしています。)

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