同盟・味方を意味するAllyを語源に、性的マイノリティの味方、支援者のことをALLY（アライ）と言います。この本では、著者の小島さんがアライになったきっかけの話を導入として、アメリカと日本それぞれに生きるLGBTQ＋の人たちのリアルな声を届けます。インタビューを受けるのは、カップルあるいは子どもがいるカップルです。

本書に登場するように、同性婚が法的に認められていない日本でも、家族として暮らしている性的少数者のカップルやその子どもがいます。存在している人たちをあたかも存在しないかのように社会のルールが構築されているならば、ルールは改善していくべきでしょう。また、いつか法律や制度が整備された社会でだれもが安心して暮らしていくために、差別や偏見を解消していく行動が大切です。ちなみに、新潟県内でパートナーシップ制度を設けている自治体は、今のところは新潟市・三条市・長岡市の３つです。新潟県としては設けていません。

LGBTQ＋の当事者ではなく家族でも友人でもない。ましてや、法律とか制度とかは自分にはどうしようもない。そう考えてしまう“多数派”のわたしたちにもできることがあります。それは、不確かな情報や間違ったイメージからくる差別を減らすためにLGBTQ＋の人たちを「知る」ことであり、LGBTQ＋の人たちとともに当事者のひとりとして連帯する「アライになる」ことだと思います。

曽我 祥子（新潟市立豊栄図書館　司書）