大人の本棚・こどもの本棚

アンナの赤いオーバー

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アンナは戦争が終わったら新しいオーバーを買ってもらうことになっていました。アンナの古いオーバーはすりきれて、小さくなっていたからです。でも、戦争のせいでお店に物はなく、お金もありません。そこでアンナのお母さんは、お百姓さんに頼んで、金時計と、オーバーの材料となる羊毛を交換してもらうことにしました。その後も、いろいろな職業の人に協力してもらいながら、アンナのオーバーは少しずつ出来上がっていきます。

これは第二次世界大戦後の実際のできごとを基に書かれたお話です。絵を描いたのはアニタ・ローベル。アンナたちの暮らしの様子や風景が、丁寧に美しく描かれています。中でも、アンナのオーバーの赤い色は、戦後の薄暗い色彩の中で、ひときわ鮮やかに温かく感じられます。表情豊かな絵を通して、人間がつながって生きていくことの喜びが伝わってくるようです。

新潟市立中央図書館 サービス1グループ 清水里奈

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