アリの“ありこ”は、お母さんにたのまれて、おいしい草の実を届けに、おばあさんの家に向かいました。ところが、森の中でのろのろと道草をくっているうちに、カマキリの“きりお”につかまって、のみこまれてしまいます。ありこがおなかの中で、「ばかあ!」と叫んでいると、ムクドリの“むくすけ”が きりおをのみこみ、次にヤマネコの“みゅう”が むくすけをのみこみ、さいごはクマの“くまきち”が みゅうをのみこんで…。
動物たちは、「ばかあ、ばかあ!」「とんちきめ!」「わるものお!」と悪口を言いながら、おなかの中に入っていきます。そのくりかえしに、子どもたちは大喜び! 日頃は言えない? 悪態
を聞いて、スカッとするのかも。
さて、のみこまれた“ありこ”たちは、無事に出てこられるでしょうか? その後の展開も、とっても愉快!
新生活の緊張で疲れがでる頃ですが、声に出して読めば、親子一緒に笑って楽しめる絵本です。
田村 梓(新潟市の小学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、30年になりました。)