アライバルとは、到着という意味です。ある国で生きてきた家族が、その国で生きていくことへの困難を感じ、まず父親だけが別の国に移住することを決意します。言葉も生活の方式も違う国に「到着」し、いろいろな苦労を重ねる父親。ようやく生活していける見通しが立つようになり、家族を呼び寄せます。
オーストラリアの絵本作家ショーン・タンによる文字無し絵本です。到着した国には様々な背景を持つ人々が暮らしていること、家族の絆が心の支えになっていること、苦労の中にも幸せを感じる瞬間があることなど、移民の不安と力強さが緻密に描かれています。読む人に多くのことを感じ取ってもらいたいと思います。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)