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ある池のものがたり

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「異人池」の由来をご存じですか?

今はもう池は残っていませんが、新潟市の西大畑町というところに、明治から昭和の中頃まで実際にあった池の名前で、跡地やその周辺に「異人池」と名のついた建物が建てられています。

今から100年以上も前、町から海へ続く砂丘のふもとに教会が立てられ、その教会の井戸から水が湧き出して池がうまれました。外国人の神父さんやシスター池の周りに植えられたポプラ並木、池に映る教会、これら異国を思わせる風景に、池は「異人池」と呼ばれました。

この絵本は、池がうまれてから姿を消すまでの様子を、移り変わる時代とともに描いている「池のものがたり」です。池の周りの風景だけでなく、人々の暮らし、水辺に住む生物や植物の様子が丁寧に描かれていて、ページをめくると当時の様子がいきいきとよみがえってきます。

自分が住んでいる町の池や川、普段何気なく見たり聞いたりしている風景や地名一つ一つに歴史があることに気づかされ、想像が広がる絵本です。

見返しに大正6(1917)年と昭和27(1952)年の付近の地図が書かれていています。そこに初代の新潟県立図書館を見つけました。

*BSNラジオ 9月26日午前9時からの「大杉りさのRCafe」でご推薦者の有本さんがご紹介します。
今は書店で購入できませんが、図書館でぜひご覧ください。放送もお楽しみに!

推薦者:有本 教子(新潟県立図書館司書。こども図書室担当。2女1男の母。)

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