絵本の表紙には、三日月の夜、枕にもたれかかる、クマが描かれています。
「がっこうへいく」のはクマの子なのかな、と思いながらページをめくると…
ベッドに座ってクマのぬいぐるみ ウイリーを抱きしめ、おやすみのキスをしながら「あした、きみ がっこうへいくんだよ」と語りかける男の子。ベッドに入っても眠れず、何度もウイリーに話しかけます。
「がっこうって すてきなところさ」「せがのびて、としがふえて、大きくならなきゃいかれない」「ウイリー?まだ おきてるの? どうして ねむれないの?」
初めて学校へ行く前の晩、不安と期待で落ち着かず、気持ちが行ったり来たりしている様子が丁寧に描かれています。
やがて、「ぼくたち ともだちだもんね」とウイリーとベッドに入り、男の子は眠りにつきます。
朝になると、ウイリーに話しかけながらも、テキパキと身支度をする男の子。一歩ずつ前へ進む姿が描かれます。
小さな心に寄り添って応援したくなる、新学期が始まるこの時期におすすめの一冊です。
推薦者:有本 教子(新潟県立図書館司書。こども図書室担当。2女1男の母。)
新潟県立図書館のホームページにBSNキッズプロジェクトの「大人の本棚・こどもの本棚」で紹介された本のリストが紹介されています。こちらもどうぞご利用ください。