大人の本棚・こどもの本棚

冒険者たち ガンバと十五ひきの仲間

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ガンバは台所の床下に住むドブネズミです。食べ物に困らず、家人に見つかったり猫に襲われたりする心配のない、お気に入りの住処でのんびりと暮らしていました。漠然と“何かとても大きくて広いもの”を考えるだけの町ネズミのガンバが、ひょんなことから今まで会ったこともなかった港ネズミや航海ネズミ、島ネズミたちと出会い、海を越えて仲間のネズミたちを助ける冒険の旅をすることになります。新しい世界に飛び出したガンバが、仲間と共に様々な困難に立ち向かい、イタチの“ノロイ一族”と戦う展開は、読み手の心をぐっと掴み、厚い本ですが一気に読み進んでしまいます。

1975年に『ガンバの冒険』としてテレビアニメ化されましたが、原作では動物画家・絵本作家として活躍された薮内正幸さんの挿絵が素晴らしく、殊にオオミズナキドリ“ツブリ”の背中に乗ったガンバを描いた表紙の絵は圧巻です。

田野辺淳子(絵本の家「ゆきぼうし」副代表。2001年「ゆきぼうし」のある守門村(現魚沼市)に家族で移住。仕事をしながら「ゆきぼうし」スタッフの活動を続ける。)

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