子どもはどんなふうに絵本と出会い、物語の世界に入っていくのでしょうか。長年、保育の仕事に携わってきた著者が、今まで出会ってきた子どもたちとの実体験をもとに、子どもたちがどんなふうに絵本を楽しんでいるのかを記しています。
第一章では、乳児クラスの子どもが絵本とどのように出会っているか、第二章では三歳以上の子どもが、友だち同士で絵本を楽しむ様子がいきいきとつづられており、巻末には著者おすすめの絵本のブックリストも掲載されています。乳児が絵本を棚からひっぱりだし、著者に向かって訴えかけるように読んでほしいとせがむエピソードには、言葉が話せないくらい小さい時から子どもは絵本の面白さを知っているのだと改めて驚かされます。子どもがどんなふうに絵本を見ているのか、おとなと子どもでは受け止め方にどんな違いがあるのかなど、多くの「気づき」がわかります。
保育の現場から発信される目からウロコの絵本論です。
新潟市立中央図書館 サービス1 吉田 恭子