絵本が多くの読者から支持され、読み継がれていくと、最初に注目が集まるのが、登場人物たちです。名作絵本のキャラクターたちがすぐに頭に浮かんできます。
やがて、その作品への愛は、登場人物だけに留まらず、風景や建物や小道具など、作品の細部の描写にまで渡り、まるで生命が宿っているかのように、反応がはじまります。その代表例が絵本に登場する食べ物やお菓子などを実際に作ってみたいという欲求です。
特に絵本は、好奇心の塊である子どもたちが主な読者ですから、「食べてみたい」「作って」とせがまれます。それは、作品への愛であり、とても素直に素敵な形で体が反応している証拠です。それだけ、その絵本が好きということでもあります。
ぐりとぐらの「カステラ」、からすのパンやさんの「動物パン」作って食べても、また楽しい。さらなる絵本の楽しみがここにはあります。
ただ、残念ながら、この本は現在販売がないため、図書館などでご覧ください。
中山 英(萬松堂本店店長兼出版社島屋六平出版営業課長。1児の父(3歳娘)育児と読書の日々を過ごしています。)