大人の本棚・こどもの本棚

映画を早送りで観る人たち

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本書では、タイトルのとおり「映画を早送りで観る人たち」のことが論じられています。最初著者は違和感からこの現象を考え始めたようですが、映画というコンテンツを扱うメディアの技術的変化、それを鑑賞というよりは消費する習慣の変化、背景にあるコミュニケーションの変化、「タイパ至上主義」という人々の考え方の変化など、この現象を実に多くの側面から論じていて、素晴らしい現代社会論になっています。

私自身は、映画鑑賞でも読書でも、消費者の側が目的や状況に合わせて様々な視聴の仕方や読み方をすればよいと考えており、このような変化について肯定的にとらえてきました。そして本書では、そのような視聴の仕方をする必然性が、新書ならではの平易な言葉遣いで説明されていると思います。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)

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