大人の本棚・こどもの本棚

ふたりのロッテ(岩波少年文庫)

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ルイーゼは夏休みのキャンプで、自分にそっくりなロッテという女の子に会います。二人は、離婚した父母に別々に育てられた双子だったのです。性格も得意なことも違う二人は、なんとか両親を仲直りさせようと、入れ替わり作戦をたてますが。

この物語の初版は1950年、高橋健二訳。戦後の新しい時代をになう少年少女たちに、世界の傑作を美しい日本語で届けたいと願って創刊された〈岩波少年文庫〉の1冊です。

当時の〈少年文庫〉の選者は、石井桃子さん。ご自身にとって「喜びの訪れ」と感じられる本を選びぬき、『宝島』『あしながおじさん』『クリスマス・キャロル』『小さい牛追い』『ふたりのロッテ』の5冊からスタートしました。

現在は460作を超えるそうですが、「いい本は年をとらず、いつも新しい」という石井さんの言葉どおり、今読んでも、冒険と人間への愛にあふれた、面白く忘れがたい作品ばかり。図書館に毎日やってくる子どもからも、「少年文庫はどれを読んでもハズレがない!」とお墨付きをもらっています。

〈創刊70年フェア〉を行っている本屋さんもあります。この夏、まず1冊を選んで読んでみませんか?あなたの一生の宝ものになるかもしれません。〈岩波書店〉のホームページに特設サイトがありますので、あわせてご覧ください。

推薦者:田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に、本や昔話を楽しんで、28年目になりました。公共図書館や幼稚園でも、子どもと本をつなぐ活動をしています。)

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