大人の本棚・こどもの本棚

ゴッホとゴーギャン 〈おはなし名画シリーズ〉 

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芸術の秋。各地で、ゴッホ展が開かれています。本物を見に行きたいけれど、ちょっと遠いなと感じる方に、この本をおすすめします。

「おはなし名画シリーズ」は、偉大な画家たちの作品と人生を紹介した、子どもから大人まで楽しめる美術の入門書です。(全24巻) 一番の魅力は、大判であること。33cm×26cmで、印刷も鮮明。絵画そのものが目の前に迫ってきて、思わず見入ってしまいます。画家のエネルギーがほとばしるような、鮮やかな色彩と力強い絵筆のタッチが、心に焼きつきます。

『ゴッホとゴーギャン』の巻では、前半にゴッホの「自画像」 「ひまわり」 「星月夜」 「麦畑の糸杉」など19点が、後半にゴーギャンの「タヒチの女たち」 「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」など11点が登場します。ユートピア・アルルに魅せられたゴッホと、楽園タヒチにひきつけられたゴーギャン。ひと時共同生活を送りながらも、別れてしまった二人の人生の喜びと苦しみが、小学生にも伝わるやさしい文章でつづられます。

好きな作品を見つけてじっくりと鑑賞したり、その時の画家の気持ちを想像したり、何度でも味わえて、絵を見る楽しさを感じられる画集です。他の巻も手に取って、お気に入りを探してみてください。

田村 梓(新潟市の小学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、30年になりました。)

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