大雪が降り夜中に除雪車の音が聞こえてくると、この絵本を読みたくなります。
けいてぃー は赤いりっぱなトラクター。じぇおぽりす という町の道路管理部で働いています。強くて大きくて、部品をつけかえるとブルドーザーや除雪機になる、みんなのじまんです。
ある冬の日、雪がどんどん積もり始めます。10センチ、25センチ、1メートル、1かいの窓をこえ2かいの窓まで! 車は走れなくなり、町の施設も埋まってしまいました…。
さあ、けいてぃ―の出番です! 警察署でも郵便局でも駅でも病院でも、人々が「たのみます!」とさけんでいます。けいてぃーは「ちゃっ! ちゃっ! ちゃっ!」と雪をかきのけ、「わたしに ついていらっしゃい」といって道をつけていきます。
なんてたのもしい けいてぃー! 雪国に住む私たちには、けいてぃーのありがたさが、よ~くわかりますよね。
白と水色で表現された雪の中に細々と描かれた町や車の絵、リズミカルな言葉が魅力で、乗りもの好きの子どもに特に喜ばれます。
新潟のけいてぃ―達には、ほんとうに感謝しています。「いつもお仕事ありがとう! 今年もお世話になります。」
田村 梓(新潟市の小学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、30年になりました。)