
書名のHOOTとは、アメリカでフクロウの鳴き声を表したオノマトペだそうです。この本にはアナホリフクロウというアメリカの州法では保護の対象となっている珍しい小さなフクロウが出てきます。そのフクロウの生息地が、パンケーキで有名なレストランに買収され、巣穴が破壊されようとしているところを、阻止しようとする不思議な少年たちの物語です。
物語はその不思議な少年が気になるロイという別の少年の視点から描かれるのですが、パンケーキ屋の関係者や医者や警察官やロイの両親、不思議な少年の義姉など、様々な大人たちがそれぞれの視点や思惑を含めて示されているので、かなり複雑な物語となっています。その一方で、ものすごく純粋なフクロウを救う事に情熱を傾ける不思議な少年や、大人たちの言うことを理解しながらも心としては少年に惹かれていくロイの瑞々しさが、読書をリードします。読み応えのある1冊でした。
※なお、『HOOT』は、現在品切れのため、図書館等ををご利用下さい。(BSNキッズプロジェクト事務局より)

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)
