コロンビア出身のノーベル賞作家ガブリエル・ガルシア・マルケスの代表作で,コロンビアの架空の村マコンドにやってきたブエンディア一家の,開拓から繁栄そして滅亡までの百年間を表した物語です。
ウルスラ,アウレリャノ・ブエンディアなど核となる人物はいるものの,何世代にもわたって登場人物がめまぐるしく入れ替わり,しかも混乱することに似たような名前が繰り返されるのですが,それぞれの人々がそれぞれに情熱的に生きた様子が壮大なスケールで描かれています。
張り詰めた糸のように微妙な心情変化の描写に苦心してきた近代日本文学の伝統とは対照的で,野太さ・夥しさ・不思議さが魅力です。現実と非現実が混じる展開は「魔術的リアリズム」と呼ばれています。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)