昨年11月に魔女の文学館がオープンし、今年の1月にはドキュメント映画『カラフルな魔女』も公開され、世界中で愛される作品を数多く生み出してきた角野栄子さん。日々の暮らしの中からどんどん新しいイメージをふくらませていく発想力は、いつも読者を驚かせ夢中にさせてくれます。
絵本『イエコさん』もその素敵な作品のひとつ。
住む人がいなくなり、森でひとりぼっちになったイエコさん。長いまつ毛のパッチリな目に隠していた手足も出てきて、それだけでもびっくりなのに、なんと、やってきた動物たちをぱくりぺろりと飲み込んでしまいます。
衝撃の展開ですが、イエコさんは元気に手足を伸ばして、エクササイズ♪と楽しそう。
少しこわいかな?と思いつつも、最後はどうなるのか目が離せない…。そんな一冊です。
吉岡 彩佳(萬松堂本店児童書担当。子どものころから本が好きで念願かなって書店勤務に。甥っ子に絵本をプレゼントするのが楽しみです。)