大人の本棚・こどもの本棚

新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている

SNSでシェア

著者は新潟地震でのボランティア活動を契機に防災アドバイザーになった山村武彦氏です。「新」と付いているのは、2005年の同名の本に、「東日本大震災でわかった『防災の死角』」というPart1を加筆したものであるからです。この本の面白さは、災害が起きたときの人々の心理を、豊富な事例をもとに幅広く、また深く掘り下げているところにあります。

防災というものは、まずは災害をよく知ることから始まるのでしょう。しかし、災害を引き起こす自然現象が分かるだけでは不十分で、その時に人間はどのような心理状態に陥るのか、また、どのような行動をとってしまうのか、よく理解しよく考えることが大切だと分かります。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)

SNSでシェア

新着記事