幼い頃、友だちの家に遊びにいくと、決まって、その友人の家の間取りや生活様式の違いなどに驚いたものでした。
自分の家こそがスタンダードだと思い込んで育てられたわけですから、その衝撃たるや、「わが家にはどうして〇〇がないのか」など、そうやって世間というものを知っていった記憶があります。
ただ、作品にでてくる空想の家は、現実の世界とは違い、想像力によって、いかようにも素敵な家をイメージできるものです。ハリーポッターの魔法の学校もシャーロックホームズの洋館も、想像で、とても立派な建物を思い浮かべたはず。
「児童文学の中の家」という作品には、そういった家々が描かれています。イメージ通りか、はたまた違うか、もう一度読みたくなる「家」にスポットを当てた面白い作品です。
中山 英(萬松堂本店店長兼出版社島屋六平出版営業課長。1児の父(3歳娘)育児と読書の日々を過ごしています。)