【夏休みにおすすめの科学絵本―園児から低・中学年に】
1969年に創刊された月刊誌「かがくのとも」が、50周年を迎えました。その数600冊以上!自然界のふしぎや生き物たちの驚きの生態を、わかりやすい文章と絵で解説し、子どものあくなき好奇心に応えてくれる科学絵本シリーズです。
私のイチオシは、長岡出身の自然絵本作家、松岡達英さんの『かぶとむしはどこ?』。子どもが大好きなカブトムシの一生を、精緻な線とナチュラルな色彩で、力強く美しく描いています。
圧巻は地中での幼虫の変化。部屋を作って皮を脱ぎ、角をのばしてさなぎになる…。なかなか見ることのできない成長を、時間をおって克明に見せてくれます。地面から出て空を飛ぶ場面も迫力満点で、子どもの歓声があがるほど。交尾をし卵を産んで死んでいく姿は、生命の循環を伝えてくれます。ずっと読み続けたい絵本です。
田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に、本や昔話を楽しんで、27年目になりました。公共図書館や幼稚園でも、子どもと本をつなぐ活動しています。)