
ここでいう「会話の0.2秒」とは、会話をしていて話し手が入れ替わる「ターンテイキング」に費やす時間のことです。著者は、出版社に編集者として勤めつつ、「ゆる言語学ラジオ」というYouTubeチャンネルに出演し、言語学の面白さを発信している人です。本書には、私たちが普段何気なく行っている言語行為に対しての、言語学あるいは社会学の一分野である語用論、統語論、意味論、生成文法、会話分析研究などが、まじめにしかし身近な例を引いて分かりやすく紹介されています。個人的には、少しだけ学生時代にこのようなことを学んだ身としては、著名な学者の素朴な似顔絵に好感を持ちました。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)
